「ヤコブは母の胎で兄のかかとをつかみ、その力で神と争った。」(12:3)
「その力」とは、「彼の力」、「人間的な力」という意味です。
新共同訳では、
「力を尽くして神と争った。」
聖書協会共同訳では、
「力の限り神と闘った」
と訳していますが、
「一生懸命あがいてみた」
ということだと思います。
岩波訳では、驚くことに、
「その富をもって」
と訳していますが、
「裕福になった時」
という意味だと思われます。
口語訳では、
「成人したとき」
と訳してますが、成長して、裕福になって、
「神なしでも自分でできる」
と思い上がっていた時に、神と格闘したという意味にもとることができます。
いずれにせよ、共通点は、
「自分の力に依存するか、神の存在を認めるか」
ということです。
ヤコブの問題は、
「神に頼らなくても、自分で何でもできる」
ということでした。
彼の生き方はまさに自分勝手、自分中心でした。
「自分は神が必要な存在だ」
と認められるかどうかが、私たちの人生を左右します。