「イエスは、茨の冠と紫色の衣を着けて、出て来られた。ピラトは彼らに言った。「見よ、この人だ。」」(19:5)
ピラトがどういう思いでこの言葉を発したのかは、想像の域を超えませんが、明らかに、ピラトが知っている以上のことを彼は言ったと思います。
「この人を見よ」をラテン語では、「エッケ・ホモ」(Ecce Homo)と言います。
ドメニコ・フェッティという画家が、この題で書いた有名な絵があります。
ある時、1人の青年が旅先で、美術館に立ち寄りました。
彼はその美術館に展示されていたこの絵の前で身動きが取れなくなりました。
彼の両眼からは涙があふれていました。
この絵は、いばらの冠をかぶったイエス様の絵です。
この絵の下に、ラテン語でこのように書かれていました。
「わたしは、あなたのために、これをした。あなたは、わたしのために、何をするか」
彼こそは若かりし頃のツィンツェンドルフ伯爵。
彼が導くモラビア兄弟団は世界中に宣教師を派遣する団体となります。