「そこで、民は遠く離れて立ち、モーセは神のおられる暗やみに近づいて行った。」(21節)
20章は有名な「十戒」が記されている箇所です。18節に
「民はみな、雷と、いなずま、角笛の音と、煙る山を目撃した。民は見て、たじろぎ、遠く離れて立った。」
とあるように、それは恐ろしい、震え上がるような光景だったことが想像させられます。この箇所で興味深いのは、
「神のおられる暗やみ」
という表現です。私たちは神がおられるところに暗やみはないと考えます。しかし、モーセは光にではなく、暗やみに近づいて行ったとあります。暗やみだからといって、神がそこにおられないというわけではないという意味かもしれません。イエス様が十字架で死なれた時、全地は暗やみに包まれ、誰もが神の不在を感じました。しかし、神はそこにおられました。真暗闇の中に神はおられ、救いの御業が成し遂げられました。私たちは今暗闇のような十字架から神を見るのです。