「ですから、皆さん。元気を出しなさい。すべて私に告げられたとおりになると、私は神によって信じています。」(25節)
嵐と闇、それにいつ難破するかわからない危険の中で、船の中にいた人々は、不安と恐怖におののいていました。その中でただ一人、落ちついて人々を励ましている人がいました。それが使徒パウロでした。キリスト教の特徴は希望です。私たちはイエス・キリストが死の力を打ち破ってよみがえり、今生きておられることを信じています。人生がたとえどんなに暗闇であったとしても、よみがえられたキリストの臨在は、私たちを励まします。私たちにとって死は、「死の陰の谷」と呼ばれるように一時的であり、死の向こうに天の御国への希望があります。ですから、キリスト者は私たちの周りにいる人々をも励ますことができるようになります。いつも共におられるキリストの臨在は、私たちの恐れを取り去るためだけではなく、元気を失っている人々を励ますためでもあります。