「ヨブはこのようになっても、罪を犯すようなことを口にしなかった。」(10節)
ヨブ記は、「正しい人がどうして苦しむことがあるのか」というテーマだけでなく、もう一つのテーマがあります。それは、
「人が正しく生きようとする動機は何か」
ということです。サタンは、ご利益があるから人は正しく生きようとすると挑戦します。財産も健康も失ったヨブに、ヨブの妻は言います。
「それでもなお、あなたは自分の誠実を堅く保つのですか。神をのろって死になさい。」(9節)
しかしヨブは、妻をいさめ、罪を犯すようなことを口にしませんでした。彼の正しくあろうとした動機がご利益ではなかったからです。自分の人生の中で何か悪い事が起きた時、私たちは神を被告席に立たせ、いろいろと責めたてます。しかし、ヨブは違いました。すべてを神の御手にゆだね、神の主権を認めたのです。神が創造主であり主権者で、私たち人間は被造物であり、受け手側であることを認めたのです。神は神、人は人と。