「しかし、人の中には確かに霊がある。全能者の息が人に悟りを与える。」(8節)
今日の箇所で、突然、エリフという人物が登場します。彼はここまで、名前も存在も出てきません。この後も出てきません。ですから、エリフの発言をどう理解するか様々な見解があります。しかし、ここにヨブ記のもう一つのテーマがあります。それは、
「神は神であり、人は人である」
ということです。「この世の知恵」と「神の知恵」には、確かに違いがあります。人は、そもそも「全能者の息」によって「生きた者」(創世記2:7)となりました。ですから人は「全能者の息」によって「理解」が与えられます。新約聖書の中で、この「息」と訳された言葉と同じ言葉が使徒の働き2:2で、「風」として出てきます。ペンテコステの日、祈っていた一二〇名の兄弟姉妹の上に聖霊が臨まれました。その時、まさに、「全能者の息」によって、人々は理解する力も与えられました。