「あなたは岩間の野やぎが子を産む時を知っているか。雌鹿が子を産むのを見守ったことがあるか。」(1節)
この地上において、知恵は教えます。
「正しい者は健康で繁栄する。だから、正しく生きよう。」
その「知恵」自体が間違っているわけではありません。問題は、
例外がある
ということです。どんなに正しく生きていても、健康を損なうこともあれば、繁栄しないこともあります。それは、
「人間の知恵」を超えた「神の摂理」
の中にあります。神はそのことをヨブに教えるために、自然現象における創造の不思議、動物の世界における不思議を、この章で取り上げます。これらの質問は、ヨブの質問に直接は答えません。「義人がどうして苦しむのか?」という疑問は答えられません。因果応報を否定しているわけでもありません。訓練としての試練、適格者となるための試練を否定しているわけでもありません。神はただ、神の摂理の大きさに目を向けるように言います。