「わたしの心はモアブのために叫ぶ。」(5節)
モアブという国は聖書の中で幾度となく登場します。モアブは、アブラハムの甥のロトの子孫(創世記19:37)です。しかし、イスラエルの民が約束の地に向かう時には、バラムを雇い、呪わせようとしました。(民数記22章)ルツ記のルツは「モアブの女」(ルツ1:4)でした。イザヤ書15章は最初から最後までモアブに対する厳しい宣告が書かれていますので、読んでいると絶望的な気持ちになるかもしれません。しかし、そんなモアブ人ルツの子孫から救い主、イエス・キリストが誕生したことを忘れるべきではありません。マタイの福音書の1章に、アブラハムからイエス・キリストまでの系図が出てきますが、わざわざ『ルツによって』と、記されています。神はすべての人の神であり、モアブも心に留められておられます。暗闇から光へと導きだしてくださる主は、今日も私たちと共におられます。