「祭司長たちや役人たちはイエスを見ると、激しく叫んで、「十字架につけろ。十字架につけろ。」と言った。」(19:6)
「十字架につけろ」と激しく叫んだのは、神殿関係者であったというのはなんという皮肉でしょうか。本来、神の家であるはずの神殿に、神の御子を歓迎すべき神殿関係者が、拒絶したというのです。否、神殿関係者が率先して神の御子を十字架につけたのです。無知のゆえでしょうか?保身のためでしょうか?いずれにせよ、少なくとも彼らは「十字架につけろ」と叫ぶことによって正しいことを行っているという自覚をもっていました。「自分が絶対に正しい」という姿勢は人を盲目にします。伝道者の書にこう記されています。
「あなたは正しすぎてはならない。知恵がありすぎてはならない。なぜあなたは自分を滅ぼそうとするのか。」(7:16)
唯一絶対に正しいのは、神だけであることを認め、正しすぎないように気をつける必要があります。