「エピクロス派とストア派の哲学者たちも何人か、パウロと議論していたが、ある者たちは「このおしゃべりは、何が言いたいのか」と言い、ほかの者たちは「彼は他国の神々の宣伝者のようだ」と言った。パウロが、イエスと復活を宣べ伝えていたからである。」(17:18)
エピクロス派は、神がたとえ存在していたとしても、遠い存在で、私たち人間とは関係がない存在と考えました。
その結果、自らの幸福の追求こそが、人生の目的と考え、波風を起こすようなものは極力避けるようにと教えました。
これに対しストア派は、基本的に汎神論で、「神」と「世界」は事実上同じことと捉えました。
自然の秩序と調和して生きる、目の前のことに一喜一憂せずに、自然の流れに従うようにと説きました。
28節の言葉はそんなストア派の哲学者の言葉です。
パウロが説いたのはエピクロス派の教えでもストア派の教えではありません。
イエス・キリストの復活です。よみがえられたキリストに希望があります。