「年が改まって、ハンナは身ごもって男の子を産んだ。そして「私がこの子を主にお願いしたのだから」と言って、その名をサムエルと呼んだ。」(1:20)
ハンナの人生を変えたのは「祈り」でした。
声が大きければ聞かれるという話ではありません。
ハンナの祈りは声になりませんでした。
しかし、一人の人が心を注ぎだして祈った祈りが、その人の人生だけでなく、歴史をも動かしたというのです。
ハンナは生まれた子どもに、
「私がこの子を主にお願いしたのだから」
と、「サムエル」という名を付けました。
「サムエル」の意味は「神聞きたもう」です。
榎本保郎先生はこんなことを言っています。
「神が全知全能であるとか、神の歴史支配などということはいわゆる神学論議から生まれてくるものではなく、祈りによる神との出会いから生まれてくるものである。(中略)大事なことは私たちが今、ハンナと同じ立場に立つと言うことである。」
ハンナのように祈らなければ分からない世界があります。