「すると千人隊長は言った。「私は多額の金でこの市民権を手に入れたのだ。」パウロは言った。「私は生まれながらの市民です。」」(22:28)
パウロの時代のローマ帝国は、共和制が終わり、帝政へ移行した時代でした。
共和制後期は、戦争捕虜として征服地からの奴隷の数が急増し、当時のローマ世界の人口の三分の一は奴隷だったと言われています。
ローマの市民権を持っていたローマ人は全住民の一〇パーセント弱だったと言われています。
どうやってパウロの家族がそのローマの市民権を手に入れたかは聖書に出てきません。
パウロの祖父や曽祖父がユりウス・カエサルやマルクス・アントニウスなどがタルソを訪れた時に、ローマ兵にテントを用意し、その報酬として与えられたと考えられています。
パウロが生まれながらにローマ帝国の市民ということは、パウロの父親がローマ帝国の市民であったということです。
神の摂理がそこにあったことが分かります。