先週金曜日の祈祷会は、このタイトルで新約聖書の舞台である古代ローマ世界を共に学ぶ時間を持ちました。
時間の関係で話しきれなかったことの一つに使徒の働き18章12節の記述に関する事柄があります。
「ところがガリオという人物がアカヤ地方の総督であった時、ユダヤ人たちはこぞってパウロに反抗し彼を法廷に引いて行って」
ここにはとても重要な情報が記されています。
なぜならこの記述のおかげでパウロがコリントにいた時期がほぼ特定できるからです。
100年前にこのガリオに関して書かれている碑文が発見され、それが当時の皇帝であったクラウデイオ帝の即位12年目、紀元52年のものであることがわかっています。
ガリオは51年に2年任期の予定でアカヤ地方の総督となりましたが彼の兄弟の記録からガリオがコリントについてすぐ体調を崩し、一年で職務を離れたことがわかっています。
つまりガリオがコリントにいたのは51年初夏からの52年春。
当然パウロもその時期にコリントにいたということが明確になり、年代の特定に図らずもガリオが大きく貢献したことになったのです。
(小山晶子牧師婦人)